理解力をグンと向上させるためのヒント

たとえば、あなたが見ず知らずの町にやってきたとしますね。

来たこともない町。見たこともない建物、見たこともない風景、見たこともない人たち。右も左もわからず途方にくれるあなた。

そんなときでも、一瞬で町の様子を理解することができる方法があります。それは何でしょう?

それは、地図をみること。

今いる場所の町の地図が手に入れば、もう迷うことはありませんね。地図の見方さえ知っていれば、どこだって行けるます。「今はここか。この道がメインストリートで、ここがショッピングセンター。じゃあ次の角を右に行けば時計台に着くなぁ」という具合に。

なぁんだ、当たり前じゃん、と思ったでしょうか。

マインドピースで「理解する」とは、頭が混乱したときに、地図を手にすることに似ています。

新しい環境や新しい課題にぶつかるとき、あるいは慣れない分野を勉強するとき、しっかりと考えをまとめたいと思う。ステップアップのためのビジネス書を読むとき、作者の知恵を吸収したいと思う。でも頭の中はなかなかまとまらない。

そんなときマインドピースがあれば、あっという間に地図をつくることができます。

地図をつくる。それはつまり、頭の中をビジュアル化するということ。

たとえば今この文章を書いている僕は、どんなことを考えていると思います?ビジュアル化してみるとこうなります。

これを「放射マップ」と呼びます。中央にメインキーワードをおき、その周りにサブキーワードをおく。さらにその子としてサブキーワードを・・といった具合に放射状に考えを進めるのが特長です。

30分もあれば、ここまでまとめることができます。もちろんもっと詳細に書き込んでいくこともできますが、コンセプトの骨格を表現するだけなら、これぐらいでも十分実用的。

頭の中の言葉をビジュアルにすることで、あなたの右脳を刺激します。さらに適切な「キーワード=言葉」を使うことで左脳も刺激します。つまり放射マップは、脳の機能をフルにつかった「まとめかた」といえます。

マップを書いた時点で、そのコンセプトを自分の知識としてどんどん吸収できる。そう、まるでスポンジのように。

それがつまり「理解する」ということ。

さて、あなたがスポンジのように吸収するために、マインドピースにはどんな機能があるのでしょう。ずいっと見ていきましょう。

あなたの考えをうつしだす鏡。 MP式☆マインドマップ

放射マップの代表的な手法に「マインドマップ」と呼ばれるものがあります。イギリスの脳研究者トニーブザン氏が開発し、最近にわかにメジャーになってきた注目の手法です。

テーマだけが先に決まっているときがあります。たとえば、「ライバル◯◯社の戦略を分析せよ」「サービス部門の現状の問題点をレポートせよ」というようにテーマだけをポンと渡されるとき。あるいは、特定のテーマのビジネス書や専門書の知識をきっちり身につけたいときなど。そんなときにマインドマップはすごい威力を発揮します。

テーマを中央おく、ここがスタートです。あとは自由にサブテーマをのばしていきます。

たとえば、「現状の問題点?」「ライバル商品は?」「達成したときのイメージは?」など、思いつくままにピースを繋げていきます。読書ノートなら、読んだあとに「どんなテーマだったか?」「納得したポイント」「思いついたこと」など、その本から得た知識や感想、気づきを自分の言葉で描いていけばいいでしょう。

描いているうちにあなたは不思議な感覚になります。それは「知らないうちに、そのテーマが自分の中に根付いていく」という感覚。中心から周辺へと思考を展開するだけで、知らないテーマにも次第に馴染み、とけ込み、さらに深く探検できることにいっと驚くはずです。

それはなぜ? 理由は「全体のつながりが一望できる」から。

あなたが普段やっているノート法と比べてください。一般的なノート法は、上から下へと順番に書いていく。いわゆる箇条書きですよね。

箇条書きは「流れ = 文脈」で物事をとらえる方法。ベルトコンベアーのように、次々と新しい項目を足していく一見能率的にみえるこの方法は、実はとても非効率な要素を含んでいます。それはズバリ「ものごとをひとつの文脈でしか理解できない」という点です。

対照的に放射マップやマインドマップは全体を「つながり = 関係性」でとらえる方法です。箇条書きのように文脈を固定せずに、ただ「つながり」として配置していきます。完成したマップはメインテーマから放射状に広がり、全体を見渡せます。眺めているうちに、関係ないと思われた項目同士が呼応して、あらたな文脈が生まれてきます。

ピンときましたか? そう、まさに「地図」なのです。

箇条書きが「1本の道順」を書くこととすれば、放射マップは「1枚の地図」を書くことだといえます。ある地点からある地点まで、前者はひとつの道順しか見えませんが、後者は地図を見ながら幾通りもの道順を思いつくことができます。

「メインテーマを求心力に、自分の中のバラバラの情報、知識をあつめ、つなぎ合わせて描いた、オリジナルの地図」

マインドピースを使えば、その地図は簡単に手に入ります。

いちど自分自身で描いてしまうと、もう後戻りはできません。少なくとも、あなたはそのテーマについて「無知」ではいられなくなります。マップの応援を得れば、理解度は確実に増すはずです。

事実から真実をあぶりだす魔法。 MP式☆KJ法

でも「理解する」ってそれだけじゃありません。

テーマがはっきりしていて、進むべき道がある程度分かっている場合は問題ないでしょう。でも、テーマも漠然としていて、何から手をつけてよいのか分からない場合だってありますよね?

たとえば、「問題点はいくつもあるのだが、ポイントをしぼりきれない」というとき、あるいは「広範囲のデータはある、そこから法則や仮説を導きだしたい」というとき。

こんなときに使えるのが、「KJ法」と呼ばれる手法。文化人類学者の川喜田二郎氏が考案した方法で、学術研究の分野の手法ですが、そのエッセンスはあらゆることに応用できます。

主な流れはこうです。まず現状の問題点やデータ、要素をすべて列挙します。その後、それぞれのデータをグルーピングし、親要素として名前をつけます。さらに親要素同士を見比べ、グル−ピングし、さらに上位の要素を導きだします。その仮定で、問題のポイント、全体のテーマあぶりだされるという仕組みです。

マインドピースでやる場合も同様です。まずはスペースに問題点を置いていきます。それらを見比べ、共通点を見つけたら親ピースをおき、そこに共通する子ピースをドラッグ&ドロップするだけです。それを繰り返すことで最後には全てのピースが中心テーマへと連結されます。

共通点を見つけるたびに新たな発見があります。さらにピース同士がつながり始めればその後は意外と速いものです。「ああ、そういうことだったのか!」。目の前の霧がサーっと晴れていく。そんな興奮をイメージできますか?

厳密なKJ法と違い、マインドピース上での完成形は放射マップです。つまりこれは「逆放射マップ作成法」とも言えます。

こうすることで、テーマが見えないことからでも、ポイントを見つけ、全体の「地図」を完成させることができます。

操作がワカル、がまず大事。ライブコントロール機能

「理解する」を強力にサポートするマインドピース。だとすれば、マインドピース自体が分かりにくければ話になりません。

考えるという複雑なテーマをあつかう道具だからこそ、その操作はシンプルでなくてはならないと考えました。

見ていただけば分かりますが、マインドピースには「ツールバー」がありません。ツールバーとは、画面上部や左部にずらっと並ぶボタンのこと。ワープロソフトや表計算ソフトを使うひとは馴染みがあはず。でもマインドピースにはそれがありません。

向き合うのは書類そのもの。新規書類を開くと、まずは真っ白な世界が広がります。ここですべきことはただひとつ。

「気になる場所をクリック&ドラッグする。以上」

するとそこに「ライブコントロールボタン」が現れます。そこには直感的にデザインされたボタンが並び、今できることを示します。

ライブコントロールはこの3種類。

あなたが押すのはこれらのボタンのみ。他にすべきことはありません。

たったこれだけで、あれほど複雑なマップを仕上げることができます。

シンプル・イズ・ベスト。

もちろん、マインドピースは多機能なソフトウェア。だけど画面いっぱいのツールバーでユーザーにプレッシャーを与えるソフトにはしたくありませんでした。誰もが考えることに集中できるよう、シンプルな画面にしたかったのです。

「できること」よりも「すべきこと」がはっきりと分かるソフトにしようとしたら、こんなカタチになったのです。

形は口ほどにものを言う。カスタムシェイプ機能

マップ全体で「理解する」ことはもちろん大事なのですが、マップ自体がひとつひとつのピースで構成されているのを忘れてはいけません。

「ピースがどんな形状をしているか」

それひとつで、あなたの脳に刻み込まれるデータの印象は変わります。

だからマインドピースはピース自体の形状にもこだわりました。テーマによって、あるいは階層レベルによって、注意度によって、自由に形状をかえられるようにしました。

それが「カスタムシェイプ機能」です。

代表的なシェイプにはこんなものがあります。

さらにこんなものも

試しにマップにしてみるとこんな感じになります。

どのピースを使うかはあなた次第。人によって使うピースはかなり違います。ピースが異なれば仕上がるマップの雰囲気も変わります。そこが面白いのです。

ユーザーの「考え」を再現するピースなのだから、分かりやすく、美しくありたい。あなたが完成したマップを眺め「ワカル」に到達するとき、そのマップはできるだけ美しく描画されてほしい。と、思うのです。

目立たせたり、仲間わけしたり。 カスタムラベル機能

あるピースだけ目立たせたいときがあります。あるいは離れたピース同士を同じグループとして表現したいとき。

そんなときのために「カスタムラベル機能」があります。

ラベルをつけることで、形状に関係なくその項目を目立たせることができます。もちろん複数のピースを同時に指定することも可能です。

赤はこのグループ、緑はこのグループと意味づけすれば、たとえ離れたピース同士でも、その結びつきが直感で分かるようになります。

ところで全体を細かく色分けしたいときなどはどうすればいいのでしょう?そんなときは「ラインカラー」を指定します。

ラインカラーをラベル色として使うことで、いちいち色を考える手間が省けます。さらに自動的に適用されるので、ラインカラーが変更されてもラベル色を手動で指定する必要がありません。

テーマの全体像を表現するときなどによく使うテクニックのひとつです。

マルかバツか、それが問題だ。 ステータスアイコン機能

時には、そのピースにマルやバツを着けたくなることがあります。

「これはイケる!」「これはNG!」「これは保留!」

そんな風に、ピースひとつひとつに「印」をつけたい。そんな欲求から生まれたのが「ステータスアイコン機能」です。

ピースに印をつけたいということは、そのピースが重要になってきた証拠。その意味を忘れないうちにマーキングしたいとき、ありますよね?

マップの中にマルやバツを置くだけで、印象はずいぶん変わります。それぞれのピースが「自分の状態」をすることで、全体の意味がはっきり分かるようになります。

「理解する」ためのテクニックとして活用したい機能のひとつです。

順番が意味をもつとき。 オートナンバリング機能

順番が意味をもつときがあります。

例えば、要素の順序や流れを表現したいとき。あるいは章立て、小見出しのように階層的にまとめたいとき。

そんなときに役にたつのが「オートナンバリング機能」です。

ピースを選び、メニューから「ナンバリング」を選ぶだけで、簡単に設定できます。さらに「1, 2, 3, ..」だけでなく「A, B, C, ...」や「第一章, 第二章, 第三章」など、好きな表現を選ぶことができます。

番号をふるだけで「流れ」がわかるようになります。人に見せるときも「3番について話します」と言えば、相手も流れをつかみやすいですよね?

論文やマニュアル、小説の骨組みづくりなどに重宝します。